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空き家でも家族には大切な思い出

日本にはマイホームを持つことが一人前となった証と言われた時代が長く続き、生涯をかけて住宅ローンを返済する者は少なくありませんでした。住宅ローンを返済し終わった時には定年を迎える年齢に、終の棲家のために退職金でマイホームを建て直すのが一般的でした。しかし、終の棲家のために建て直すのは相続する子供がいる場合、子供がいても別々に暮らすなどして相続しなければ建て直しにお金を使うより、老人ホームの入居資金に充てたほうが良いと考えるのは必然的な流れです。社会における資本や活動などが首都圏に集まる東京一極集中が続く今日、故郷を離れ都市部に生活基盤を移す者が増え、地方では空き家が増えています。空き家の所有者としては、土地を更地にして管理したほうが失火の恐れがないのですが、更地にすると税金が高くなるため、人が住めないようなボロ屋でも持ち続けなくてはなりません。親が苦労して建てた実家を手放すのは心情的にも困難、思い出がある子供は手放すことが出来なくても、その子供つまり孫の代になれば思い出がなく、売却してお金になる方を選ぶようになるため、空き家問題はしばらく続きます。

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